2013年12月24日火曜日

無常という力 玄侑宗久




無常は自然界の摂理
われわれはしばしばそのことを忘れる
諸行無常
諸法無我
涅槃寂静
人 栖 儚い
この世にとどまる時間
長短はあっても無常であることに変わりなし
どこから来てどこへ帰って行くのか
執着 今ある状態がずっと続くと思う
いつ失っても困らないような生き方
知足
無事 外になにも求めない
必要なことは自分自身で行う  人を使わない 気を遣う必要もない
心一つで世界のあり方が変わる
唯識無境 
執着すれば 心は濁る  無執着
断定的な考え方 生きていく上での妨げとなる
風流 原則を絶対視せず 一度揺らいでみる
無常の世界を一歩一歩歩んでいく
全てを受け入れ 揺らぎ続ける
未来を楽しむ

2013年12月18日水曜日

ほっとする禅語70





日々是好日 全て自分に起こった事世界に起こったことをそのまま事実として受け入れることができる
喫茶去  理屈抜きに一杯差し出す相手を受け入れる  受け入れる澄んだ心
明珠在掌  計り知れないほどの価値のある宝を既に私たちは手に持っている私たちの中に持っている
行雲流水  修行僧  師匠も訪ね歩き学ぶ
因縁に身をまかす
啐啄の機  絶妙のタイミング 呼応
我逢人(がほうじん) 人と人、心と心、物と物、人と物、出逢いこそ命
人と会う逢うことを大切に
人に逢える場を大切に
人と逢う姿を大切に
平常心是道(びょうじょうしんぜどう)
当たり前のことを大切に育む日々  当たり前のことを積み重ねていく
無事是貴人 人間はもともとすべてを自分の中に持っている 何もしなくてもね
阿吽 始まって 終わる  間に余計な邪魔が入らない
不可思議  言葉や思慮が及ばない境地  大きな数を数える単位
一日不作 一日不食  この一日にすべき事をする 一日働いて一日分を戴く
放下着(ほうげじゃく) 捨て去る 本来の自分  スッピンの自分
和敬清寂 それぞれの個性を認めた上で共にある 和する為にはまず相手を敬う
無功徳 無心でよい行いを重ねていく 
知足 我慢するのではない 満たされていること 足りていることに気づく
他不是吾 主人公 何かをやろうと思う自分の気持ちを大事に
本来無一物(ほんらいむいちもつ) もともと何もない 自分の気持ちが作った何者かに捕われ執着したりしない
 仕上げは気迫 
一期一会 ほぼ全ての日本人が知っている言葉。でも一度きりの今との出会いを、大切にできる人はきっと少ない。今に集中し、丁寧に、大切に、誠意を持って生きる。日常になってしまった行為に対しても、眼を開いてしっかり見つめる。
主人公 自分の中にいる本来の自分。妄想で曇った心などない本来の自分。いつもその自分に問いかけながら、生きていく。
 眠っているときに見る夢は、目覚めれば儚く消えていく。眼を覚ましている時間だって、その夢と同じく儚く消えてしまう定め。だからこを大切に生きる。
両忘 私たちはどうしても物事を二元的に見てしまいます。善悪、貧富、苦楽、好き嫌い、生死などなど。そういうものの見方を捨て去ることができると良いですね。生きることに徹する。
莫妄想  現実に起きてもいないことを頭の中組み立てる、そして起きていないものに自ら捕らわれてしまう。妄想の力は恐ろしい。ただ現実を見つめ、妄想の迷路に入り込まない。
非思量 大脳を働かせない。身体を整える⇒息を調える⇒心が整う
名利共休(みょうりともにきゅうす) 利休

2013年12月13日金曜日

「唯識入門」 高崎直道



心の働き 日常の心を超えたところ
現実の心の働きの背後にある潜在的な心の働きそこに問題解決の鍵を見いだす
夢 見ている最中は夢とは気づかない
一水四見  一鏡四心  ものは見る立場によって変わる
三性
我々の日常常識的に考えている分別によって見られた性質
他に依っているという性質
完成されたあり方
浮かんでくるイメージと心とは識とは同じである
客観つまり外界に存在していると思っているイメージ と主観 識とも同じもの
外界に実在すると思っているものは識の現しだした映像イメージに過ぎない



2013年12月10日火曜日

『般若心経の読み方』 ひろ さちや








色即是空空即是色
こだわり
精神の自由
般若 真実の知恵
彼岸に至る
仏教は仏の教えであり、仏になるための教えでもある
迷いの世界を脱却して、真理の世界へ
煩悩の世界から般若の世界へ
菩薩  仏陀 人である   道を求める真摯な心をもっている
観自在菩薩  自由自在に観ることができる  あるがままに見る  存在する一切のものを空とみる

2013年12月8日日曜日

禅寺モノ語り 玄侑宗久



禅は抽象論が嫌い
悩み考える人間だからこそ安心を求めて苦労する
モノは我々との関わりによって初めて十分にモノたりえる
モノから精神性を汲み取る
光陰矢のごとし
何も解決しないまま死を迎える

2013年11月2日土曜日

仏教の深層心理 太田久紀



悟り
人間そのものを追求
東洋の人間学  心の追求 
幻想に苦しむ人間への救い

2013年10月26日土曜日

中途半端もありがたい 玄侑宗久

自分 自然の分身
異物をはぐくむ能力 
耳をよく使う  気は失われない
悲しみは悲しむことで乗り越える

2013年10月20日日曜日

「荘子と遊ぶ」  玄侑宗久

制度を整える
競争社会
管理や罰則を強める
  ⇒ 否 否 否 の世界
常識 なんてくそくらえ
天命を受け入れる
観念 固定 崩す

言葉 主観 限界

坐忘  心斎 虚になる 虚空と一体
夢 大夢 万物は変化 物化 夢中

一 無 混沌 道 徳 玄徳 幽玄な徳
性(もちまえ)がそのまま発揮されれば徳に帰り
 徳を全うすれば道に合致する
もちまえ 本来備わっている 
もちまえを発揮させるもの 風 自然 道 混沌 徳 一 無心
儵(しゅく) 半端な理知的分別による拙速さ
忽      感情的な偏りによる拙速さ
渾沌

混沌たる命の自然を殺してしまう

物と春を為す  皆を春のような和やかさで包んでしまう
運りて積まず
 鏡 様々なものを映すが跡を残さない だから全てを映す
    善悪も好悪もない 徹底して静か
無用の用
 役に立つ 立たない 遊 無為  
 比較  分別 妄想
 柳は緑 花は紅    ただ二つの素晴らしさだけが並び置かれている
あまねく ことごとく 在らざるところなし
心がなにがしかの判断を下している 夢 今を対象としていない以上 夢

天地という巨きな部屋

自分を信じきれない 外的条件に振り回される

方生 ならびしょうず
万物斉同
前後際断 今に没頭

待つ 期待する 頼る
化声 状況によってうつろう 分別の声 是非善悪を論じる言葉
状況の変化に身を任せる
主人公 意志などという人為を埋没させ 状況に完全に浸り切る
無意識 熟練 同化 自然に随う あるがまま

命の働きよう 天機の動くところ
万物すべてそれぞれが比べられない それぞれが天機のうごくところとしてある
無為自然  自然法爾
ありのままをそのまま受け入れ 万化して応じたあとは跡に留めない

みんなちょぼちょぼや 風まかせの逍遥遊
天(自然)に従って生き 死に行く時も万物の変化のまま
陰陽自在
他からの働きかけを受けて初めてそれに王子
 迫られて初めて動き
  やむを得ない状況になって初めて立ち上がる

2013年9月15日日曜日

法然と極楽浄土

観想念仏 ⇒ 称名念仏
修行などできない 一般の多くの人への救い
浄土   倶会一処
六道  天 人 阿修羅 畜生 餓鬼 地獄
聖道門
浄土門  雑行
      聖行  読誦 観察 礼拝 称名 讚歎供養

2013年9月9日月曜日

法然の「ゆるし」

万民救済の教え
漆間時国 秦氏
日本 他界観  地平線のかなたにある常世 水平構造
          地の底 地獄 垂直構造 平安初期に登場
怨霊思想

専修念仏 他力
阿弥陀仏  アミターユス 無限の寿命をもつもの
        アミターバ  無限の光を放つもの
思想革命
とても救われることなど叶わぬとされる万民も救われるとの教え
近代文明 自己の外に悪を対象化する思考構造
  煩悩を抱えたままの人が救われる道
凡夫 ただの人 ありのままの人  優越感や劣等感に偏らずその真ん中をすーっと歩む
二種廻向説  徃相廻向 還相廻向    自利 利他
誕生寺 岡山県美作
菩提寺  法然 初学

2013年9月6日金曜日

手放す力  枡野俊明

見立てる 茶道  ある物をまったく別のことに用いることで新しい趣向をつくりだす
豊かな想像力  物を大切にするあたたかい心
手放す なくてはならぬものが見えてくる
得ることよりも 手放すほうが幸せになれる わずかなものを慈しむ
安らぎを得たければ むしろ手放す
ない 世界の開放感    安らぎと癒し
場 の乱れ  心に影響   おおらかな場 簡素 寛ぎ
本来無一物 無一物中無尽蔵
囚われない 執着しない  心を洗い流し のびやかな開放感
余計なものを求めない 手放す 手元にある必要最低限のものを大切にする 
古いものを大切にしていく心の豊かさ  新たな息吹を
執着のスパイラルに陥らない  こだわりを捨てる
モノにこだわる  こころがこだわる
自分に与えられた務めを果たす
自利利他  みずからを生かすことは 他者を生かすこと
立禅 どこでも   整える
心は乱れやすい 部屋も心も掃除が必要
突っ走っているときは 前しか見ていない 
走っているつもりが 停滞していても気づかない
あえて貴重な時間を手放す 自分自身と向き合う 対話する
集中力を発揮 前準備 結界  空間 時間 ゆとり
露地  露わにする 心から雑念を洗い流し 清らかな状態にする
最初が大切 一日の始まり 朝
朝は清々しく 気持ちよく ゆとりを持って
よく歩く 
経行(きんひん)  ひと呼吸半歩 ゆっくりしたあゆみ
呼吸を整える
威儀即仏法  威儀を正す
柔軟で強靭な心 動じない 慌てない イライラしない
脚下照顧  足元をよく見る  浮ついた心が矯正される
身体を整える  心も整いやすくなる
喫茶喫飯  食べる時には食べる  一口ごとに箸を置く
感謝とともに 心を込めて食事をいただく
労力を惜しまず 手間ひまかけて 丁寧に お茶を淹れる 人生を送る 今日を生きる
悩むより動く まずは行動ありき 恐れない 飛び込む
雨に濡れてしまえば もはや雨に濡れる心配はない
仲間がいてこそ 自分も生かされる 人との縁
人との縁を生かすことによって 自分も生かされる
合掌 人間関係の喜ばしい部分も 嫌な部分も 両方ひとつに合わせてありがとう
人のために手放す ⇒ 精神的喜びとなって返ってくる
 得をしたいと考えている人は 損をすると腹を立てる
無常 無我  全ては変わっていく 執着しない
こだわり 自分を縛ることにも 人生を狭める  自由自在のこころ
劣等感は こだわりからうまれる
自分と和解し 安らぎに満ちた人生
こだわり 偏狭な心   捨てる  寛容 広がり 感謝
花は無心に蝶を招く
一息(いっそく)に生きる  生死を繰り返す
焦らない 一歩一歩 一日一日 イライラしたってしょうがない
白雲おのずから去来す
同じことの繰り返しが 知らぬうちに自分を成長させてくれる
心の拠り所
わび … 詫びる(こんな山奥まで)   さび … 寂しい
自分の力で生きている   人の力には限界があるから どこかで不安を感じる
 仏様から与えられた
永遠の存在を信じる
結果がすべてではない 過程を楽しむ余裕
日本人の精神性
 自然と一体となり生きる
 季節の移ろいから 生きるエネルギーを感じ取る
 結果よりそこに至る過程を重んじる
 木から木の実が落ちるのを静かに待つ
この道より 我を生かす道なし この道を歩く  武者小路実篤
物事を好き嫌いや善悪など相対的評価で見ない
 あるがままを見て 自然に向き合う
自分にないものを求めない 今あるものを大切にする
自分で決める 主人公 様々な制約の中でも自らの人生の主人公となる
ありのままの自分
八風吹けども 動ぜず     風 人の心を迷わせる
利  慢心 おごり
衰  自分の意に反する
毀  悪口
誉  褒める 陰で
称  褒め称える 虚栄心
き  非難

志ん朝の高座

なんでも程だよね
  程は人により違うからむつかしい
あっという間に順調にトップへ
  最もむつかしい 飛び抜けた才能

2013年9月5日木曜日

白隠の坐禅

山岡鉄舟 白隠禅の修行
 晴れてよし曇りてもよし不二の山
  もとの姿はかわりざりけり

2013年9月4日水曜日

人生で必要なことはすべて落語で学んだ  童門 冬二

講演 日本人の心の美しさ  話法 落語 円生
何が起こってもあまり深刻に考えない方が良いよ
エスプリ ウィっと ユーモア
そこそこ むきにならない 川の流れ 自浄作用 来るを拒まず去るを追わない なぜ起こったかという原因追求をしつこくせずどうすれば解決するか それほど蓄財しない 三番手五番手
落語人間 周りも幸福にする
三方よし  自分 相手 世間
風流 ゆとり 余裕 最短距離を目指す 自由な発想 連想 柔らか 想像
底抜けに明るい生き方  しゃあねえ よかった 大したことじゃない
行蔵は我に存す 毀誉は他人のもの 我与らず候 知ったこっちゃない
自分を縛る制約から自分を解き放つ
豊かに暮らす 気持ちの豊かさ 創造性 長屋の花見
プロ 危機に直面したとき対応できる 克服突破できる
どんな状況もへこたれない 
余裕 間が失われている ⇒ 間抜け
弛度 高圧電線のゆるませ具合 ぴんと張ると切れてしまう
劣等感 見栄っ張り 恥  捨て去る
堪忍袋  ユーモア
人の苦しみ 怒り 悩み    笑いに凝縮 という面もある
三つの壁
  物理的壁 制度(しくみ)の壁 心の壁
  思い込みや過大な期待  そうならなければ失望も大きい
自分の生業に全身全霊
こんなやついてもいいだろう 知ったことか 俺は俺だ

2013年9月1日日曜日

生命科学の大研究  田沼靖一

遺伝情報 DNA 世代を超えて伝えられる情報  生命の本質
原子の海 炭素 窒素 酸素 水素 燐 硫黄  ⇒ アミノ酸 糖 塩基 脂質
           ⇒ タンパク質 核酸 膜 … ⇒ 生命
RNAワールド ⇒ RNA・タンパク質ワールド ⇒ DNAワールド
五界  動物 植物 原生生物 菌類 原核生物
生物  膜  外界から区別
     分裂 自己複製 子孫
     代謝 外界から物質を取り入れ代謝し 自己を維持
生命の階層性
体 細胞が相互に関係し合う 細胞社会
アポトーシス 成人 毎日3000~4000億個の細胞が死
        細胞の生と死のバランスの上に生命は成り立っている
ゲノム  人とチンパンジーの塩基配列の違いは1%程度しかない
      人同士は0.1%程度
遺伝子操作は生命のあり方を変えてしまう可能性を内在している
生命倫理の問題 
  医学 薬学 心理学 文化人類学 社会学 経済学 法学 哲学 宗教学…
人の最大寿命 120歳といわれる 
          死は必然 根底にある死を見つめ自分とは何かを見つめる

2013年8月29日木曜日

禅語百選 松原泰道

おのれこそ おのれのよるべ おのれをおきて誰によるべぞ
よく調えておのれにこそ まこと得がたきよるべをぞ得ん
挨拶 挨は近づくこと 拶はひきだすこと
作務 
言葉に込められた いのり 願い いのち

第一章 不立文字
存在するもの全てが真実を語っている
峰の色 溪の響きもみなながら わが釈迦牟尼の声と姿と

柳緑花紅
   眼横鼻直(がんのうびちょく)  明歴々 露堂々
子生而母危(こうまれてははあやうし)
  何の喜びか憂いに非らんや  何の憂いか喜びに非らんや
  両忘
  対比の世界から全てをそのまま受け止める世界へ
放下著   捨ててしまえ
  相対的な計らいから離れる
  人生という旅で担いだ荷物 自分で担ぐしかない
真空不空
  かたよらないこころ こだわらないこころ とらわれないこころ
不雨花猶落 無風絮自飛  あめならずしてはななおおつ かぜなくしていとおのずからとぶ
  けれども時間を守ります そうしてさっさと帰ります
  花は咲いたときすでに散る因を内在している
  さめても胸のさわぐなりけり
山花開似錦 澗水湛如藍
  無常迅速 時 人を待たず
一期一会
   一期 ひとの一生  一会 ただ一度の出会い
   会者定離  すべてに丁寧にあれ
   逢うてわかれて わかれて逢うて 末は野の風秋の風 一期一会のわかれかな
風来疎竹 風過而竹不留声
   いつまでも執着して 精神を浪費するような愚かなことをせず 心の空であることを学ぶ
竹影掃階塵不動

両頭倶截断一剣倚天(てんによって)寒(すさまじ)
  相対的認識  対立と比較   ある立場から見る
  相対的ものの見方を捨て去る  一段論法  空の境地
両忘
  二元的な考えを脱しきった心境
  生きるときは精一杯生き 死なねばならぬときは大いなるものに任せ切る
不思善 不思悪
  相対的認識を空じつくした境地   二見対立から迷いが生じる
本来面目
   本来の自己 真実の自己 純粋の人間性 もうひとりの自己
和敬清寂
    和合 ≠ 混合
    相互の味を生かしつつ 第三の風味が生まれる
   寂 煩悩の火が静まる
莫妄想
   莫煩悩 
   逆境が人をダメにするのではなく その時に生じる妄想や煩悩が人を食い殺す
破草鞋 はそうあい 破れた草鞋
黙々与天語 黙々与天行
  黙 ありのままの真実の相   語との対比ではない
実相無相
  不安定な現象的存在の底に 安定した変わらぬ実相がある
  素直に感じて しかもそれに執着しない
白馬入芦花
  差別即平等 平等即差別
  主客ともに一色となり区別できないほど充実
銀椀裏盛雪
不風流処也風流  ふうりゅうならざるところやふうりゅう
  数寄 奇数 割り切れないところがまた風流
関 かん
  門司の関まだ越えやらぬ旅人の 陸奥をばいかに知るべき
  文字                  道の奥
  道と言われるものには 自我を出しては通行を許されぬ関所がある

  心の安らぎを得るには 相対的見方を脱しなければならない
無功徳
  ただ無心に 黙々と善事を重ねる深いこころの開発

第二章 教外別伝
啐啄同時
話尽山雲海月情 かたりつくす さんうんかいげつのじょう
  人情の極地の描写
  さらには自然の妙趣の表白
  ありのままの自然から何かを感じ取る働きを人は具有している
掬水月在手 弄花香満衣
  水うてば 葉ごと葉ごとの月夜かな
  普遍的にある真実を実践によって感じ取る
  ほとけ 座禅・念仏などの実践により実感
随処作主 立処皆真
   どこにあっても自分を惜しまず投入し 真実のいのちにめぐりあう
   六然 自処超然(自分にとらわれず脱けきる)
       処人超然(人にはいつも和やかに)
       有事斬然(ことあれば活気に満ち)
       無事超然(無事なれば心澄み)
       得意澹然(得意の時はあっさりと)
       失意泰然(失意の時もおちついて)
勢不可使尽  福不可受尽
  調子に乗らない 控えめに 程を知る    人知れず徳を積む
規矩不可行尽  好語不可説尽
可及其智  不可及其愚
  理性 智 論理 などで計れぬ 偉大な愚を学ぶ必要がある
一日不作 一日不食  
   べからずではない  作務を怠れば 勤めを果たさなければ 食べられない
歩歩是道場
  私たちの一歩一歩、言動の一つ一つが修行
  真理のど真ん中で生活している
  一足三礼      歩歩清風起こる
曹源一滴水
  慧能  ここから禅宗が始まった
  おがむこころ 一杯の水といえども天地の賜物

  自ら活動して 他を動かしむる
  つねに己の進路を求めてやまざる
   障害にあいて激しくその勢力を百倍しうる
  自ら潔ようして 他の汚濁を荒井 清濁をあわせ容れる
  洋々として大海をみたし 発しては雲となり 雨雪と変じ 霧と化す
     凝っては玲瓏たる鏡となり しかもその性を失わざる
喫茶喫飯随時過
甘味 苦味 渋味
喫茶去         
茶味禅味 味々一味         法令無親        経行(きんひん)
百尺竿頭進一歩
与天下人 作陰涼 てんかのひとのため いんりょうとならん
人生の生きがいはその人のもの 深く自己に沈潜する
体を動かすのも 坐禅をするのも 自分のこころをめざめさせる道場
技術はあけっぴろげ 隠していない 盗めば良い
どの道でも 徹するには甘えた気持ちや 世慣れた妥協は許されない
頭陀(ずだ) ものに執われない  何者にも執着しない
天上天下唯我独尊 宇宙の隅々 いつ どこ 誰も 何でも 仏のいのちをいただいているから 存在する万物は 皆 尊厳である
心を 強く 広く 深く 暖かく
いま ここ この自分の心を 凝視する
滅却心頭火自涼  ひ おのずから 涼し
 寒暑を苦楽のどちらに決するかは自分の側にある
 寒いままに 暑いままに それらに振り回されない  同化 一体化
時時勤払拭 じじにつとめてふっしきせよ
本来無一物
看却下 暗夜行路 心の灯 自己の中に灯を持つ 依頼心を捨てよ
日々是好日  
  晴れた日は晴れを愛し 雨の日は雨を愛す
     楽しみあるところに楽しみ 楽しみなきところに楽しむ

第四章 知恵  見性成仏
自灯明 法灯明
大死一番
八大人覚  少欲 寂静 精進 不忘念 禅定 修智慧 認識 知足
坐 土の上に人二人 仏と凡夫 この二人の対話が多いほど 心潤う 深まる 独坐大雄峰
一華開五葉  大円鏡智 平等性智 妙観察智 成所作智 法界体性智
無一物中無尽蔵
迷己逐物  おのれにまよって ものをおう

2013年8月27日火曜日

仏教の授業 梅原猛

法然の授業

善導 唐代の僧 願わくばもろもろの衆生とともに安楽国に往生せんことを
善導の思想 ⇒ 法然 ⇒ 椎尾辯匡(共生の思想) ⇒ 梅原
草木国土悉皆成仏  法華一乗
あの世への行き方 西方指南抄(親鸞)
民衆の仏教へ
思想的大革命 たったひとりの血を流すこともなく
土佐への流刑(実際は讃岐)
父親の暗殺 母親も恐らく一緒に   15歳の時  心の闇
秦氏  漆間(父方)
     錦織(母方)  職能の民
伝記では母親のことが語られることはほとんどないが法然の思想背景に母親との強い結びつきが重要だ
悪の自覚
悪人である父母 それを継ぐ自分をも救うことのできる教えを求めた
観想念仏に異を唱えた  口称念仏
阿弥陀仏はすべての人が極楽浄土に往生する教えを説いたはず
43歳にして叡山を下りた
大原問答
選択本願集   どうしたら人間は仏になれるか

一切衆生を平等に往生せしむ
二種廻向 徃相廻向  還相(げんそう)廻向  親鸞によって明文化
利他の人生  布施(財施、法施、無畏施)
人生 布施行そのもの

親鸞の授業
親鸞上人正明伝
親鸞始記



一遍上人の授業


共生(ともいき)の授業
草木国土悉皆成仏
ともいきのく木虫鳥なごみして いかにめぐみとみほとけはのる
ひといきもくさきのいきとともなれは こもにさながらあめつちひろし
天台本覚思想
衆生  人間、動物、植物、国土   鉱物や自然現象まで含む
神道 自然崇拝の宗教
縄文文化  狩猟採集文化
 翡翠…植物 勾玉…動物
能  シテ 人間のほか動物、妖怪、松や桜や柳の霊、雪、鉱物までも 
天地自然の現象はそのものが歌  和歌
西洋 デカルト ヘーゲル  我 ⇔ 自然  法則 制御 科学技術文明
   ショーペンハウエル  盲目の意志 生存本能に基づく欲望
   ニーチェ 意志の絶対肯定
   ハイデガー 戦前 実存 人間 自らの死を自覚できる
           戦後 存在 言葉 存在の家
西洋哲学 人間中心主義から踏み出せない
 源流をギリシャやイスラエルに置いている
しかし大元はエジプトやメソポタミアにあるはず
エジプト 偉大なる農業国家
   太陽の神 ラー
   水の女神 イシス
人類は文明を、狩猟採集文明の過去にまでさかのぼって考察する必要有り
でなければ環境破壊という現代文明の危機は解決されない

2013年8月24日土曜日

生死問答 五木寛之 帯津良一

死を愉しく迎える
白骨の御文
われやさき 人や先
生まれた時から一歩一歩死に向かって歩いていく旅人
どこから来て どこへ行くのか 深く考えると今あることの奇跡を思う

第一章 覚悟ある生き方
医療者の覚悟
夜眠り 朝起きる とは限らない
生から死への荘厳なるドラマに立ち会える
身体 心 命     三位一体
必ず死を迎える存在である という覚悟
たとえ病気であっても エネルギーを高めていくことができる  養生
健康志向 何のための健康なのか
HOLOS 全体を意味するギリシャ語 ホリスティック
死をしっかり視野にいれる社会
 穢として忌み嫌う社会はおかしい
死後のイメージ
誰でも今日より良い明日を願う

第二章 理想の死に方
死に頃 死に時
代替療法の駆使 治療法が枯渇しない
生と死が切り離されている  生と死の統合
つらいことは山ほどあるよ
どんな死に方も それぞれに素晴らしい
化野(あだしの) 鳥辺野
納棺夫日記 きれいな青空のような瞳をした すきとおった風のような人
科学と非科学 中間は?
治し  癒し
空手来 空手去
あるがまま いらぬことはしない  やすらかな死
突然死 用意されていない死 に対する心構え
死は敵でも 異邦人でもない

第三章 最後の時間の過ごし方
死後のこと いろいろ整理は必要  細々したことは生きている人がしてよ
死について日常的に語る 考える
生まれた時に入り 共に生き 肉体が壊れ活動を停止したら そっと抜け出していく何か
余命 宣告なんてできない 当たらない
死ぬための戦略会議
これからの治療会議
半分人ごと 半分自分のこと  軽く聞いてくれる
生涯の一大事である死をサポートするようが 本来の医療
代替医療 とにかく一歩前進させる治療法
いかなる状況になろうとも 明日への希望をいだきつづける 予感と直感をはたらかせて
理想の大道を行き尽くして斃れる
星雲の志を持ち続ける  聖賢 聖人 賢人
生命エネルギー
認知症 痴呆  神に近い
病を得たら 人の手を借り 感謝して生きる

第四章 型破り 死の儀式のヒント
死に場所にこだわる必要はない
野垂れ死に 不幸? すがすがしさ
野垂れ死にの覚悟 生き方の自由度が 増す

第五章 まだ見ぬ死後の世界について
場の中の存在
宇宙 地球 国 地方 職場 仲間 家庭 …
場は未来からやってくる  襲いかかってくる 取捨選択
死後の世界という場 必ずやってくる どういう場かわからないが
地獄のイメージの希薄化
浄土 苦痛からの解放
虚空 時空を超えた場  偉大なる空間
虚空から来て 虚空に還る
一木一草に宇宙の命が宿る
われが宇宙 宇宙がわれ
徃相環相
人身(にんじん)受け難し

第六章 死の壁を超える養生とは
メメントモリ 死を想う
病気の治療を行うときも 死ぬ場合のことを考えておく
生活様式や心のもちようで遺伝子プログラムの発現を変えることができる
現在を作っている過去の因果を すべて肯定する
親鸞 わが計らいにあらず
生きるも 死ぬも あるがまま
それぞれの人生の中で地獄を感じる
 そのなかで一条の光を見たとき 極楽
雑多のものがクリアに見えるより 重要なことに焦点を当てる
与えられた限界の中で 内なるエネルギーを高めていく
肉体的衰えをなんとかやりくりしてやっていく
それがおっつかなくなって苦痛の中で生きるという面が強くなるとつらい
様々な理論 提案 方法 などのなかから 自分にあったものを見つけていくしかない
命というのは エネルギー そのエネルギーを死ぬときに最高潮にする
一気に虚空へ

第七章 究極の生命エネルギーの高め方
高唱念仏
人間は一日一日死んでいく
ホメオパシー
レメディ
千日回峰業
呼吸とエネルギー
栄養学 インプットの理論  アウトプット が重要では?
とっているものを最高度に燃焼させる
死にしっかり向き合うことにより生へのベクトルをつよめることもある
心が空っぽになると 虚空 生命の場から エネルギーが流れ込む
患者さんと自分とは共通の命が流れている
 すれ違う人々とも
医療 治しと癒しの統合の上に成り立つもの